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読んだ本:『影の中の影』

Category:

diary

書評というほどのものではないんですが、読んだ本について感想を書くということもしていこうと思います。
今まで、あまり本を読む人間ではなかったんですが、2018は意識的に本を読んでいこうと思いまして。1月からいくつか読み終わったものもあるんで、ちょこちょこ記録&紹介していきたいなと思ってます。
わたしは文芸界についてあまり詳しくなく、読書感想文も得意ではないのですが素直に書きますのでご容赦を。

この本について

書影およびデータ

タイトル:『影の中の影』
著者:月村了衛
出版社:新潮社
発行年:2015年
ジャンル:小説(アクション)

あらすじ

人民解放軍による悪魔の所業から逃れ、日本に潜伏中のウイグル人亡命団と、事件を追う女性ジャーナリストが襲われた。
証拠隠滅をはかるべく送り込まれた中国の刺客。
それを黙認する弱腰の日本政府と警察。
絶対説明の亡命団に、謎の男が救いの手をさしのべた。
頭脳明晰、身体屈強。ロシア武術を極め、情報機関にも裏社会にも怖れられる存在−−。
こいつは一体何者なのか?その手がかりは、謎の言葉「カーガー」

単行本帯より

読んだきっかけ

発売前後ぐらいの時期の新聞で紹介されていたのを見て知りました。普段、新作小説を手に取ることはほとんどないのですが、あらすじを見て面白そうと思ったので会社帰りに書店で買った記憶があります。
…というのも、この本、買った当時に1/4ぐらいまでは読んだのですが、中断してしまいまして、すっかり時間が経ってしまったので、思い立って再チャレンジして先日読み終わったのです。
なおわたしはハードカバー単行本で書いましたが、現在は文庫版が出ているようです。
本書は、あらすじをご覧いただければお分かりの通り、中国がテーマです。7年中国語を学び多少は中国と関わりをもった身としては、中国の政策や外交には複雑な思いになることが少なからずあります。そんな中国が行なっている少数民族への弾圧を主題にしていて、小説を通してだけど知りたいという気持ちで読みました。

感想

率直に言うと面白いです!
とはいえ内容はシャレにならないのですが、中国からの刺客と戦うスリル満載バトル描写の表現力がとにかくすごい。
元はと言えばその中国の問題に触れる目的で読み始めたのですが、防衛戦が始まってからはとにかく熱いバトルに熱中して、半分から後半は一晩で一気に読んでしまいました(翌日は寝不足で起きれなかったです)。
ヒロインのジャーナリストを守るヤクザたちと、ウイグル人たちを守るカーガーが共闘するのですが、ジャンプ漫画さながらの、命をかけて戦い一人ずつ脱落していく展開は一言「熱い」に尽きます。
作中にも書かれていますが「今の時代にこれだけ人のために命を捨てられる男たち」というのはたとえヤクザ者であっても、この冷たい世間では失っちゃいけない気持ちであるなぁと思いました。生きてるフィールドが違うのでヤクザを賞賛するつもりはないのですけど。
当初は怯えて守られているだけだったヒロインやウイグル人たちが覚悟を決めて戦いに転じるシーンも、生死ギリギリの必死さを感じます。
また、バトルだけでなく、日本、中国、アメリカの政府間の駆け引きや、警察と中国の癒着、警察と暴力団の関係などもテーマのひとつとして描かれており、それぞれが絡み合ってこのウイグル人亡命団死守作戦が展開していきます。
ハードボイルド、任侠、裏社会、外交取引、警察癒着などなどのキーワードにグッとくる人にはおすすめです。

…と、ここまで面白い!戦いが熱い!と書いてきましたけど、
主題となっている中国の少数民族弾圧や民族浄化(少数民族を絶滅させ漢族だけの国にしようとする)という残酷な政策は実際に今も起こっていることで、その対象はウイグル人だけでなく、チベット人にも激しく行われています。日本ではほとんど報じられませんが、中国が抱えている大きな闇の部分でもあります。物語では日本へ逃げ出したウイグル人たちは助かることができましたが、現実では国内でこれからもこんな政策や衝突が続いていくことでしょう。本当に彼らを救うことはできるんでしょうか?中国政府が共産党独裁であり続ける以上、日本人としてどうしたらいいのか考えもつかない重い問題であります。

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